紅白歌合戦の視聴率が発表された。2部が39.5%で、歴代ワースト2位。 最近毎年のように紅白離れだの視聴率低迷だのと言われる紅白。大衆嫌いのボクなど、ここ20年ぐらいはほとんどチラ見することすらなくなってしまった(よく映らないこともあるが)。
紅白低迷の原因は何か。ボクは出生率の低下と同じ現象と考える。娯楽や価値観が多様化した結果である。
どこの先進国でも結婚して子孫をたくさん作ることが人生唯一のイベントではなくなったこと、セックス以外の娯楽が増えたことで軒並み出生率が低下、少子化時代を迎えた。
出生率低下と紅白の視聴率低下はどちらも大衆文化の多様化という言葉でくくることができる。
いまは娯楽があふれている時代。衛星放送もあれば、ゲームもインターネットもある。視聴率が下がったのは紅白だけではない。民放だって視聴率30%を越える番組はほとんどなくなった。去年30%を越えたのは紅白を含めて4本しかない。95年には20本もあったのである。
テレビだけではない。本も音楽もミリオンセラーがなくなった。映画も大ヒットがなくなった。国民的アイドルもいなくなった。ひとつの価値に集中する時代ではないのである。大衆文化が成熟期に入った証である。
そんな中にあって紅白だけがひとり視聴率80%を維持するということはありえないのである。8割もの国民が同じ番組を見るというのは新興国でしか起こらない現象と考えるべきだ。
紅白低迷の要因は視聴者の側に求めるべきで、NHKばかりを批判するのは当たらない。
毎年あの手この手の趣向を凝らした演出、惜しみない制作費を投入、贅を尽くしたステージ。どう考えても内容は昔より豪華多彩、面白くないワケがない。
だが、国民の8割を同じ方向に向かせる力をもった娯楽はもう作れっこないのである。
それでも39.5%と4割近い数字。2007年視聴率ランキングの第1位。なんだかんだ言っても依然ウラ番組を寄せつけぬ国民的お化け番組なのだ。
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