「放送倫理・番組向上機構(BPO)」は、フジテレビに倫理違反があったとする意見をまとめた。
問題の番組は去年7月放送された「FNS27時間テレビ」。ボクは見ていないが、ボランティア活動をする一般女性が出演、そこにスピリチュアルカウンセラーの江原なにがしが突然現れ、亡き父からのメッセージという形で女性の活動に批判的な説教を垂れるというもの。サプライズな演出である。
ここで、この女性が世間並みのバカで、諭されて涙のひとつもこぼせば番組の狙い通りだったろう。ところが女性はバカじゃなかった。傷つけられたとフジテレビに抗議して問題となるのである。
こういうスピリチュアルなんとかというヨタ者を公共の電波に乗せ、根拠のない戯言(ざれごと)を何の検証もせず無批判に垂れ流すことについて、テレビ局は相当な社会的責任を負わねばならないだろう。
去年10月の検証委員会では、占いや迷信の表現に関する民放連の放送基準に違反するとの意見も出た。今回のBPOの判断が他の局や番組に与える影響は大きいと思う。特に占い師の細木数子なんか無縁ではいられないはずだ。
細木が3月までにテレビ番組を降板したいというのは、テレビ界のこの動きを察知してのことかもしれないとボクは勘ぐっている。
細木の場合、罵倒する相手は一流芸能人。彼らは仕事であり、そういう演出であり、打ち合わせ済みだからトラブルにはならないのだが。
テレビで霊媒師や占い師が何を言おうと視聴者が利口なら問題ないのだが、残念ながら試聴者は救いようもなくバカなのである。細木の番組の視聴率が30%なのを見ても放っておけないことがわかる。
非科学的な番組を放置すれば、第二のオウム事件に発展しかねない。オウムは雑誌の空中浮遊で信者を集めた。一度精神世界を信じた人間をあやつって地下鉄にサリンを撒かせるのは簡単なことである。
番組制作者は、おもしろければいい、視聴率を稼げればいいという発想で迷信や霊を扱ってもらってはこまる。オウム事件で得た教訓を忘れるな。視聴者はバカなのだから。
と精神ステージの低いボクは警告する。
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