ゴルフ接待を受けた前防衛次官の公判が始まった。本人は接待されて王様気分だったかもしれないが、山田洋行の接待漬けで思うがままにあやつられていたと見ることもできる。
日本人は接待、贈答、付け届けに細かく気を配る国民。つまりワイロにだらしない国ということができる。意味もなく金品を贈ったりおごったり(ほんとは意味があるのだが)、その無節操ぶりは国民生活の隅々にまで浸透しているといえる。
日本では、デートで食事をするとき、男が女の食事代を払うのが普通だが、これも一種の接待である。接待である以上、隠れた意図があると考えるべきだ。
しかし、大半の女はおごってもらうことに抵抗感がない。あるいは男がおごるのは当然と思っている女王様も少なくない。金品の授受にまるで無警戒なのだ。世の中にタダの食事があると思っているのか。
男は金を出したがる動物である。相手を思い通りにするにはモノで釣るのが一番てっとり早いからだ。
モノをもらうということは弱みを握られることと同じ。男に何十万円もカネを使わせる以上は、別れ話がもつれることぐらいは覚悟すべき。ヘタすれば刺されるっちゅうの。
ボクは人におごるのが大嫌いだが、人からおごってもらうのはもっと嫌いである。しがらみから自由でいたいからだ。
サラリーマン時代(二十何年前)、飲み会で上司から「AZMA君、オレの勘定だからってよく飲むねえ」と恩着せがましいことをいわれたことがある。飲み代は福利厚生費の一部で上司のポケットマネーじゃないのだが、それでも自分のおごりだと言って部下に恩を売ろうとする上司。こっちは付き合いでイヤイヤまずい酒を飲んでいるだけなのだが。ナニで恩を着せられるかわかったもんじゃない。
ちなみに最近、会社のホームページを見たら、この上司が社長になってた。悪人、世にはばかるだ。
人は想像以上に恩を着せたがる動物である。無用な接待は受けないというのは正しく生きる上での基本。ただし、正しく生きるのが得かどうかは別だが。
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