世間には割り切りのいい人がいる。大ざっぱで細かい部分にこだわらない。完成度8割でも目的にかなっていればそれでよし、はい次、とどんどん処理する。これをデジタル思考としよう。
一方、細かい質感を重視し、枝葉末節にこだわる人がいる。繊細な感覚、微妙なさじ加減で丁寧に仕上げるのが得意なアナログタイプだ。
ボクは典型的なアナログ思考である。写真は何が写っているかよりも画質が気になる。音楽はまず音質にこだわる。文章は内容より文体を味わう。肌触りや質感を重視するゲージツ家肌なのだ。
このタイプは細かい作業やプラモデル作りなどを根気よくやるのが得意。職人やアーティスト向き。そのかわり時間効率を無視するので生産性が低い。
デジタル思考の人は概してIQが高く、せっかち、字が汚い。物事をテキパキと片付けるにはデジタル思考のほうが有利だ。
サイト作りでも特色が出る。ボクの場合、文字の配置バランス、パーツ、色など見た目にこだわってしまう。
デジタル思考の人が作ったサイトは概してデザインがイカしてない。読めればいい、情報が伝わればいいという思考なので、どうでもいいことには関心がないのである。
世の中、デジタル思考全盛。大半の仕事はデジタル思考向きだ。質より生産性を重視、だれがやっても同じ結果が得られることが大切、むずかしいことは機械がやってくれる。アナログ的な職人芸をうんぬんする時代ではないのだ。
ところで、株は典型的なデジタルゲームだと思う。内外の経済環境に合わせて微妙に売買ポイントを調整しても、株価の動きはそういう小細工を寄せ付けないところがある。たいてい予想外のデジタルな結果しか出ない。微調整の効果は「確率の変化」としてしか表れないのである。
たとえて言うなら、サイコロに細工をして目の出る確率を変えても、目はあくまでも1〜6であり、1.3なんて玉虫色の目は出ない、といったこと。
この理不尽さに慣れるのに時間がかかった。もっとデジタルな発想を取り入れなくては。
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