日本が麻薬にきびしいワケ
2010-02-22 Charles
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自称プロサーファーが夫婦で覚せい剤、という事件で日本中が大騒ぎになったのは昨年のこと。
自称ネットサーファーの庵主だが、ネットを徘徊するとドラッグの合法化をもとめる声も聞こえてくる。
曰く、欧米は概して大麻に寛容で、中毒性はひくいし、常習性もない。所詮は個人の嗜好品でしょう。日本はおくれてるね、という。
たしかに、ポール・マッカートニーは大麻事件で2度も日本入国を拒否されているが、本国ではナイトの称号をもらうほどの扱い。
われわれは麻薬常習者は極悪非道で“人でなし”であると叩きこまれているので、彼我の認識の差にびっくりしてしまう。
同じ麻薬に対して、なぜ日本は欧米より取り締まりがきびしいのだろう。
その理由をコラムニストのケビン・クローンがブログに書いている。
氏はテレビ 【ここがヘンだよ日本人】や【太田総理…秘書田中】 に出演する日系人。
彼はこう推測する。日本のような抑圧型社会では個人主義がなく、周囲の抑圧に弱い国民性なので、流行を生みやすい。その上に有名人が麻薬に手を出せば、大流行をまねいて収拾がつかなくなる。だから厳罰で抑えこむ必要があるのだと。
これは卓見だと思う。周囲の抑圧。酒やたばこがまさにそうだ。呑みたくない酒を呑まされる。みんなが吸うからおれも吸う。
日本人は仲間に同じ嗜好を強いることで連帯感や服従関係を強化する。酒やたばこはそのための道具だから、まん延するほうにバイアスがかかる。欧米のような単なる個人の嗜好品ではないのだ。なにしろイッキ呑みで死人が出る国である。
薬物だって解禁すればそうなるだろう。その上さらに人気芸能人が覚せい剤に走れば、一億総シャブ漬け社会になりかねない。だからせっせと小さい芽をつむ必要があるわけだ。
これは麻薬に限ったことではない。日本の学校は校則がやたらにきびしいのも、同じ理屈で説明がつく。
ひとたびルーズソックスがはやれば、全員がルーズソックスを履いてくる。ガングロを許せば、みんな真っ黒になってしまう。だから細かい規則でがんじがらめにしなければならないのだ。
大麻の解禁? 冗談じゃない。この国の酒やたばこのだらしなさを思えば、薬物は 「ダメ。ゼッタイ。」 ぐらいがちょうどいいだろう。庵主は、合わせて酒・たばこの根絶も求めたい。
酒であれドラッグであれ、個人主義の成熟があってはじめて嗜好品たりえるのである。
これ以上 「周囲の抑圧」 のタネをふやさないでほしいね。
- 参考資料
- 「なぜ、薬物は流行するのか?」 (ケビン・クローンのブログ)
- http://ameblo.jp/kevinclone/entry-10317233029.html
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