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 映像うんちくノート 


ノート挿し絵(5KB)


 写真やカメラ全般について自分流の楽しみ方、評論などを千文字の文と写真で記す一口コラム集。

 上の写真はコラムとどんな関係があるかというと、columnの本来の意味、「柱」をモチーフにしたもの。

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01. オークションでバレる写真の腕
02. 明かりを消してご覧ください
03. デジタルカメラか銀塩カメラか

04. カメラでカメラを写す方法
05. ズームレンズの歪みを正す


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オークションでバレる写真の腕

 2000年暮れにカメラとレンズをいくつかネットオークションに出品した。事前に相場価格を知るため、同じ商品の落札価格をいくつかチェックした。そのとき気づいたのは出品された商品の画像にヘタな写真が少なからずあることだった。

 カメラに興味のないカタギの人が撮ったのであれば、下手クソでも当然だろう。しかし、カメラやレンズの出品者は写真に関してはヤクザである。当然、撮影の腕もそれなりのレベルだろうと思っていたが、他の商品画像に比べて有意な差は感じられなかった。これは一体どういうわけか。

 出品者がヤクザなら、それを見て入札する側もまたヤクザである。オークションに載せる写真はお仲間の目にさらされるわけだ。マニアとしての見栄があるならもう少し工夫した写真を掲載してはどうか。こう書くと傲慢に聞こえるが、傲慢なのだから仕方がない。

 忙しくて出品写真などじっくり撮っていられないのはわかる。が、ピンボケで解像度不足、露出アンダーでシャドー部はつぶれ、ストロボのせいでハイライトは飛び、キズや表面の状態が判別できない(そのくせファイルサイズはでかい)。そんな写真をマニアの目にさらしてプライドが傷つかないのか。特に高価なカメラやレンズとなればなおさらで、「高級品を持ってるのに腕はこの程度か」ということにならないか。それともカメラマニアとは写真に興味のない人たちなのか。

 うちの撮影機材紹介のページに掲載した銀塩カメラやレンズの写真は、主にオークション用に撮ったものである。下の画像はその中の一枚で、オークションに使った写真そのものである。表面の状態の善し悪しや質感がよくわかる。「まともな写真が撮れる人ならモノも確かだろう」と安心してもらえるのではないか。そのせいかどうか知らないが、ボクのレンズは総じて高く売れた。ちなみにこの105mm F1.8は44,000円で落札。

オークション出品写真(20KB)
COOLPIX950使用(20KB)

 蛇足だが、ボク流「見れるオークション写真」撮影法はこうだ。面倒なことは一切なし。ポイントは背景をすっきりさせること、明暗差の少ないフラットな光で撮ること。具体的には、晴れた日を避け、地べたにカレンダー(裏面)を1枚敷き、出品物を置いて上から撮るだけ(白バックなので露出に注意)。三脚もストロボもレフもいらない。芸術作品じゃないのでスポットライトを当てたりする必要もない。撮った画像は本サイトの『超初心者のレタッチ入門』で解説した簡易レタッチ法で仕上げる。

 これだけのことでかなりまともな写真が撮れるはず。この方法はホームページ用に自慢のグッズを撮る場合にも応用できる。

[01.06.10]

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明かりを消してご覧ください

御堂の屋根(15KB)
Nikon FE2, Kodachrome64(拡大108KB)

 写真関係のホームページを見ると、時々「モニタの明るさ、カラー、色温度を調整してご覧下さい」とカラーチャートなどを載せているサイトがある。カラーパレットは24ビット以上でご覧ください、などと指定しているところもある。自分の作品を正しく調整されたモニタで見てほしいと思うのは、心ある制作者なら当然だろう。

 『世捨て人の風景』はそこまではやっていない。うちのごとき駄サイトを見てもらうのに「ディスプレイ調整しとけよ」などとはおそれ多くて言えないのである。

 しかし、たとえ正しく調整したとしても、明るい部屋では所詮まともなコントラストは出ないのである。部屋の明るさが及ぼす最大の害は黒が真っ黒に見えないことである。このことを指摘する人がほとんどいない(少なくともボクは知らない)のは不思議である。

 たとえば神社仏閣の写真では、概して屋根の下など暗い部分のディテールが死んでしまう。右上の写真は典型例だろう。自宅で見ている人は一度部屋を暗くして見てほしい。明るい部屋ではいかに多くの情報が失われているかわかるはず。屋根の梁の質感がすべてだから、明るい部屋では撮影意図そのものが意味を失うことになる。

 ディスプレイの有害反射をチェックする画像を作ってみた。下の黒い画像の背景はまっ黒であり、パソコンの色情報にこれ以上の黒は存在しない。ここに手をかざしてみよう。もし手の影ができるようならまっ黒になっていない証拠だ。

ディスプレイ暗部テスト画像(3KB)

 画像の各矢印の上には一字ずつ文字が書いてある。赤い矢印の上は「あ」だ。これはたいていの人が見えるはず。見えなければかなり重症。黄色矢の文字が日中でも見えるという人はかなり優秀な環境である。ここまで見えれば一応合格。緑の矢の文字が部屋の明かりをつけたままで見える人は少ないだろう。わが家でも見えない。照明を消して真っ暗にすれば全部見えるはず。真っ暗にしても見えない場合はディスプレイの調整不足。

(背景色が白のため厳密には真っ暗にならない。できれば全面黒バックで確認するのがよい。画像をクリックし、ウィンドウを全画面表示にするとほぼ全面黒バックになる。)

 ディスプレイにはいろいろな反射が起こる。部屋の照明が入り込んだり、本人が映ったり、背後の窓や本棚、障子、背後霊などが映り込む(ウソ)。これを防ぐ最も有効な手段は部屋の明かりを消すことである。これはディスプレイを調整するより遥かに効果が大きい。

 モニタを調整して下さいとは言えないが、部屋を暗くして鑑賞することをお勧めしたい。えっ、それほどの写真じゃない? ごもっとも!

[01.10.19]

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デジタルカメラか銀塩カメラか

挿し絵写真(6KB)

 銀塩カメラはもう卒業した。こう言うととても偉そうだが、フィルム代が続かないのでデジカメに乗り換えただけのこと。卒業ではなく学費払えず中退というところだ。

 デジタルカメラがいいか銀塩カメラがいいか。趣味の道具にこういう比較は意味がない。ツーリングに自転車がいいかバイクがいいかというのと同じで、それぞれにメリットがあり楽しみがある。それを敢えて比較してみる。

 経済性からいえば、デジカメのランニングコストの安さは圧倒的だ。現在のボクは経済性が最優先するので選択の余地なし。銀塩時代の後半はフィルムが買えず、撮影から遠ざかる期間が長かった。デジカメ時代が来なければ今ごろは写真を撮っていなかっただろう。デジカメは大変な福音である。

 画質の比較。プリント写真で比較するかディスプレイ上の画像で比較するかで優劣が変わるだろう。ボクはプリント写真をやらないのでディスプレイ上の画像で判断する。コダクローム64をNikon FE2で撮影し、COOLSCAN IIIでスキャン。COOLPIX950の画像と比較すると、勝負はほぼ互角といえる。強いていえば、色のノリで銀塩、解像度でデジカメ有利か。COOLPIX950は銀塩でいえばズーム付きコンパクトクラスだ。それが一眼レフ+単焦点レンズと戦っていい勝負なのだから、デジカメは予想外に検討していると言えそうだ。ディスプレイ鑑賞向きなのだろう。

 モノとしての満足度を比較してみる。小型軽量のデジカメは、重量感、高級感、持つことの喜びといった点で銀塩カメラにはかなわない。一眼レフとズーム付きコンパクトの比較だから当然ともいえる。磨いて楽しむなら銀塩カメラに軍配が上がる。

 16年も使ったFE2とNikkorレンズがオークションで高く売れた。銀塩カメラのモノとしての価値が高いからだろう。逆にいえば、銀塩カメラに進歩がないことの証明でもあろうが。

 古いカメラが高く売れることなどデジカメでは望むべくもない。そもそも日進月歩のデジカメを16年も使うことは考えられない。同じパソコンを5年間使い続ける人が少ないように、デジカメの使用期間もせいぜい5年ではないか。COOLPIX950を5年使ってオークションに出したとしても、千円でも売れないかもしれない。ならば手加減せずバリバリ使おう。デジカメは飾っておくより使うことに価値がある。

現用機は10年使おうと思っている。…無理かナ。

[01.01.01]

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