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電脳コラム 13

スタートメニューを使いこなす

1998年9月


『世捨て人の庵』

 パソコンを購入して以来、よく使うファイル/アプリケーションに素早くアクセスする方法を模索してきたが、一応の結論が出たので紹介しよう。またまたWindowsの話題でMacの人には申し訳ないが、こっちも好きでWindowsを使っているわけじゃないのでカンベンしてほしい。

 まず、もっとも早いファイル/アプリのアクセス法について触れておきたい。起動したいファイル/アプリのショートカットを作り、そのアイコンにショートカットキーを割り当てる方法だ。

 ショートカットアイコンには固有のショートカットキーを一つ割り当てることができる (*1)。このキーを押すとダブルクリックしたのと同じ動作をする。

*1 : ショートカットアイコンにキーを割り当てる方法。目当てのアイコンを右クリックしてプロパティを選び(またはアイコンをAltキーを押しながらダブルクリックし)、「ショートカット」タブを選択。「ショートカットキー」欄にカーソルを置き、登録したいキーを押下するとショートカットキーとして定義される。ただしショートカットアイコンは「スタートメニュー」フォルダまたはデスクトップに置くことが必要。

 ショートカットキーの決め方。OSやアプリケーションで使うショートカットキーと重複しなければどんなキーでもかまわない。Alt、Ctrl、Shiftの中から2つ選んで組み合わせるといいだろう。ボクは次のように決めている。

  ・ アプリケーション : Alt+Shift+英数字キー
  ・ ファイル : Ctrl+Alt+英数字キー
  ・ フォルダ : Shift+Ctrl+英数字キー

 たとえば、もっともよく使うメモ用のファイルはCtrl+Alt+Mで、ダウンロード用のフォルダはShift+Ctrl+Dで開くようにしている。

 ショートカットキーを利用すれば、他のアプリを使用中だろうが、デスクトップが隠れていようが、目的のファイルやアプリを一発起動できる。毎日よく使うアプリ/ファイル/フォルダはこの方法でアクセスするのがよい。

 しかし、この方法には限界がある。ショートカットキーは重複できないので割り当てできるアイコンの数に限りがある。また、あまり使わないアイコンはキーを忘れてしまうという問題もある。大量のファイル/アプリへのアクセスを確保するためには、これ以外の方法を併用する必要がある。


 パソコンを買って半年ほどの間、デスクトップにショートカットアイコンをたくさん並べ、マウスでダブルクリックしてアクセスしていた。『チューチューマウス』(マウス用ユーティリティソフト)の付属機能でアイコンを縮小し、100個以上並べていた。ここまで増えるとアイコンを探すのに苦労する。マウスを持ってうろうろする場面も出てきた。それにデスクトップにアイコンをたくさん置くとメモリを消費するので好ましくないこともわかってきた。そこでスタートメニューの使いこなしを語る。ここからが本題だ。

 スタートメニューとは、タスクバーの左端の「スタート」ボタンをクリックすると出てくるアレだ。

 スタートメニューは軽視されている。ボクも軽視してきた。他のランチャーに浮気したこともある。最近遅まきながらスタートメニューの操作性の良さに気づいた。今では「スタートメニューよ、悪かった」という気持ちである。

 スタートメニューをうまく使いこなしている人は案外少ないのではないか。最初にスタートメニューから起動する方法を覚えたので仕方なく使っているという人が大半ではないか。「スタートメニューなんて何を今さら。あんな使いにくいものはまっぴら。ランチャーソフトを入れてるもんね」という人も多いだろう。

 「スタートメニューは使いにくい」と言うのは多分次のような人だろう。
(1)マウスで操作している。
(2)アプリがスタートメニューに作ったアイコンをそのまま使っている。

 スタートメニューをマウスで操作すると、確かに時間がかかって使いにくい。特に階層構造が深いと選択肢が横に伸びてイライラさせられる。アプリケーションを3つぐらい起動するともう嫌になる。

 多くのアプリケーションは、インストールすると勝手にスタートメニューのプログラムフォルダにショートカットを登録する。パソコン購入時にはすでにかなりのショートカットが登録されている。これらは階層が無意味に深くて非常に使いにくく、ほとんど使わないショートカットアイコン(たとえばインストーラ、ヘルプ、製品サポート、Readmeファイル、オンラインマニュアルなどのショートカット)がたくさん放り込まれている。しかもアイコン名の多くは日本語なのでアルファベットキーで選択することができない。

 スタートメニューを効率よく使うためには、登録されているショートカットを徹底的に整理し、階層構造を作り直してしまうことから始まる。まずスタートメニューの「プログラム(P)」フォルダ(C:¥WINDOWS¥スタート メニュー¥プログラム、すべて半角)の中身をそっくり待避しておき (*2)、フォルダを一旦空にし、改めて自分が使うアプリケーションのショートカットアイコンを放り込んでいく。この時、アイコン名の先頭1文字を半角英数字にすること(先頭の英数字で選択するため)、階層構造はなるべく作らないことがポイントだ。

*2 : アプリケーションの中には、アンインストールする時、スタートメニューに自分のショートカットがないとエラーを出すものもあるようだ。特に実害はないだろうが、心配ならアンインストールする前にショートカットアイコンをスタートメニューに戻しておくとよい。

 一般に、アプリケーションはスタートメニューから起動し、ファイル/フォルダは「マイコンピュータ」からアクセスする、という人が多いと思う。が、スタートメニューをフルに使いこなすには、ファイルやフォルダもスタートメニューに登録して起動すべきである。「スタート メニュー」フォルダ内にファイル用、フォルダ用の各フォルダを作り、必要なファイルやフォルダのショートカットを放り込んでいく。 (*3)

*3 : 「スタート メニュー」フォルダ内に別のフォルダを作成すると、スタートメニューの先頭に項目として表示される。下図のメニューに表示された「F-ファイル」、「J-フォルダ」、「T-ツール」がそれに当たる。

スタートメニューのカスタマイズ例(9KB)
スタートメニューのカスタマイズ例

スタートメニューの表示項目は必要なものに絞ってシンプルに。ファイル用、フォルダ用、ツール用のメニューを追加してある。ちなみに「T-ツール」はボリュームコントロール、ダイヤルアップネットワーク、デフラグ、画面のプロパティ、アプリの追加と削除のプロパティといった種々の付属機能を収納。

 スタートメニューの操作方法。マウスは使わずキーボードで操作すること。上の図でメールソフトOutlook Expressを起動する場合を例に説明する。

 まずWindowsキー(またはCtrl+Escキー)を押してメニューを呼び出す。次にPを押して登録されたアプリケーションの一覧を出す。上図はこの状態を示している。(Fを押せばファイルの一覧が、Jを押せばフォルダの一覧が出る)。続いてショートカットアイコンの先頭英数字キーOを押すと目当てのアイコンが起動される。

 こう書くと面倒に聞こえるが、「Windows、P、O」と3個のキーを順に押すだけである。Oで始まるアプリが複数ある場合は、続けてOを押して目当ての項目を反転表示させ、Enterキーを押す。

 スタートメニューをマウスで選択しようとすると、目当ての項目を一覧から探す必要があり、項目が増えると選択に時間がかかる。キーで選択する場合は、頭文字のキーを押すだけなので非常にスピーディに操作できる。とにかく早い。やってみればわかる。項目が100個以上あってもアクセス時間は変わらないのである。このやり方で、どんなファイルやアプリもアクセスに5秒とかからなくなった。

 余談だが、パソコンを終了するときもキーでスピーディーに操作しよう。Windowsの終了は「Windows、U、Y」、再起動は「Windows、U、R、Y」でOK。

 スタートメニューをフルに使いこなすと、Windowsキーの使用頻度が非常に高くなることがわかる。やはりWindowsパソコンはWindowsキーに始まり、Windowsキーに終わるのだ。

 スタートメニューのメリットをまとめるとこうだ。
(1) アイコン名の先頭英数字でスピーディに選択できる
(2) デスクトップが見えなくてもWindowsキー一発で呼び出せる
(3) 場所を取らない、使い終わると勝手に消える
(4) 常駐せず、メモリを食わない
(5) タダである

 スタートメニューは小粒でとても動作の機敏なランチャーである。ただし、こいつはキーボードで操作してこそ真価を発揮するのである。

このコラムはWindows95を前提に書かれています。

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