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  ほぼ世捨て人/2001年4月

国際カップルの法則

  〜 日本の男はなぜモテない? 〜

ほぼ世捨て人もくじ


 最近、マスコミを騒がせた殺人事件。日本在住のイギリス人女性が失踪し、三浦海岸でバラバラ遺体で発見された。近くのマンションに住む日本人男性が死体遺棄で逮捕された。通称“ルーシー・ブラックマンさん事件”である。

 この事件でボクが注目する点。白人女性なのにブラックマンとはこれいかに? いや、そんな冗談はやめて、この事件でボクが異色だと思うのは白人女性と日本人男性という取り合わせだ。

 日本男児が白人女性にこのようなことをいたすとは、フランスで白人女性の肉を食った佐川君(*)以来の快挙…じゃなかった、暴挙ではあるまいか。

(*) 佐川君 : 81年、留学先のパリでオランダ人女性を殺害し、その肉を食べて逮捕された。精神鑑定で無罪になる。劇作家・唐十郎が彼をモデルにした小説「佐川君からの手紙」で芥川賞を取る。

 日本女性は白人の男にもてるし、国際結婚の例も多い。しかし、日本人男性と白人女性のカップルは非常に少ない。日本の男は白人女性にもてないと昔から決まっている。ナンデだ?

 その理由として、日本の男は積極的にアタックしないからだ、シャイで女性を口説くのがヘタだからだ、などと説明されている。やはりそういうことなのか。

 いやいや、そんな単純な理由ではあるまい。ボクの研究(?)によれば、これはそもそも女が何の目的で結婚するのかということに関わってくる。

 国際結婚が増えたと言われて久しいが、日本人男性と白人女性の夫婦は今でもめったに見られない。

 この件について芸能界の状況はどうなっているか。白人女性と結婚した芸能人、有名なのは布施明とオリビア・ハッセー。このカップルが国際的にも話題を呼んだのは白人女性と東洋人男性という組み合わせが珍しかったからだ。その他には西川きよし、千昌夫、ヒデとロザンナのヒデ(古いね)…ぐらいしか思い浮かばない。いずれも男は売れっ子スターだった。

 これに対し、白人男性と結婚した女性有名人。古くはオノ・ヨーコ、水沢アキ、最近では後藤久美子、細川ふみえ、斎藤こず恵、倉沢淳美(元わらべ)、吉本多香美(相手の人種は不明だが、多分白人だろう)…とたくさんいる。なんでボクはこんな情報に詳しいんだ?

 白人にもてない日本男児も、フィリピン、中国などのアジア諸国、ブラジル、ペルーなど中南米の女性にはもてるし、国際結婚の例も多い。嫁不足の深刻な日本の農村がフィリピンから花嫁を募集して連れてきたりする。ジャパゆきさんである。花嫁募集と言えば、アメリカではロシアから花嫁を募集する集団見合いがあるという番組を見たことがある。

 ここで一つの法則が見えてくる。国際結婚では常に男の出身国の方が経済的に豊かだということ。オンナは自国と同等かそれ以上の生活水準の国の男と結婚する傾向がある。これを“経済力優先の法則”と呼ぶことにしよう。恋愛は結婚の入り口だから、この法則はそのまま恋愛にも適用できる。

 この法則によれば、日本人男が白人女性に持てない理由も説明がつく。日本はGNP第一位の経済大国。とはいえ、アメリカ・ヨーロッパから見れば、貧しいアジアの成り上がり者。国民の生活水準はまだまだ欧米と肩を並べたとは認識されていない。「アジア」のイメージは「貧困」の一言に尽きる。たとえば一般のアメリカ人にとって日本は中国と大差ない国という認識しかない。わざわざ日本人と結婚して極東アジアのウサギ小屋に住みたがる白人女性は少ないだろう。

 スージーやリサが「日本人男性と結婚するわ」と言ったら、パパやママはさぞ嘆き悲しみ、娘の行く末を案じるだろう。Japanese男に娘を食わせるだけの経済力があるとは思えないからだ。  つづき

 しかし、花嫁がアジア人となると、日本人男の経済力は俄然魅力になる。貧しいフィリピンや中国からよろこんで花嫁がやって来るのもその辺の事情を表している。その逆に、フィリピン男性が日本人の花嫁を募集するなんてことは絶対にありえないこともわかるだろう。

 白人女性にもてないのは日本男児だけではない。一般にアジア人、東洋人の男は西洋人女性にもてない。その理由も西高東低の経済格差にあると考えられる。

 どうしても金髪女性が好きというキミはどうすればいいか。ハンガリー、チェコ、オーストリアなど比較的貧しい東欧諸国の女性がねらい目だ(?)。

 日本の女はどんな国の男を選ぶかを見てみよう。ガイジン大好きの日本女性だが、決してどこの国の男でもいいというわけではない。大和撫子は圧倒的に白人を好む。白人なら経済的な心配は少ないという暗黙の前提があるからだろう。結婚しても日本と同じ生活水準がキープできるかがポイント。大切なのは人種ではなく経済力だ。同じ白人だからといってまちがってもロシア人に嫁いだりはしない。ラテン系ならフランス人、イタリア人あたりまで。同じラテン系でもフィリピン人、メキシコ人、ペルー人など経済力の伴わないラテン系はお呼びじゃない。日本女性がインド人やベトナム人、ネパール人、トンガ王国人と結婚したという話は聞かない。大和撫子もちゃんと経済力優先の法則に従っているのである。

 デヴィ夫人がなぜインドネシア人と結婚したか。相手が大統領だったからだ。スカルノが農民だったら鼻も引っかけなかったろう。

 なぜ経済力優先の法則が生まれるのだろう。女の結婚には「経済的基盤の確保」という重要な目的があるからだ。男の経済力が気になるのはもちろんのこと、結婚後は男の出身国で暮らすことになるからその国の生活水準も問題になる。その意味で国籍は男のブランドといえる。愛があれば国境はないというわけにはいかない、愛があっても金がなければだめなのだ。そう考えれば、世界経済の頂点に立つアングロサクソン系白人男性が一番もてるのも当然である。

 ところで男はどんな女と国際結婚するか。男の場合、女の経済力を目当てに結婚するということはめったにないので、どんな貧しい国の女とも結婚できることになる。女の家柄が低くてもぜんぜん問題ない。それだけに男は女の結婚の目的がわかっていない。単純にオレにほれたのだと脳天気に考える。

 こう言ってはなんだが、中国やフィリピンの女性が日本人男と結婚する目的は、九分九厘お金だと思う(それが悪いとは言わないが)。祖国の家族に仕送りするためである。男はその辺の事情を理解していないから、結婚してから金をせがまれてトラブルになったりする。

 女にとって結婚はシビアな経済活動。これに対し、男は結婚を純粋な愛情の結実と考える。よく言えばロマンチスト、悪く言えば単細胞のバカである。

 そんなわけだから日本人の男が白人女性にもてないのは当たり前なのである。日本人なんてブランドイメージが悪すぎる、お呼びじゃないわというのが白人女の素直な感想だろう。積極的にアタックするとかしないなんて関係ないのだ。

 白人女にもてたければ、札びらを切って経済力のあるところを見せることだ。冒頭で触れたイギリス人女性の事件も、容疑者が羽振りのいい資産家の男とわかれば、やっぱりなという気がする。

 白人女性を落とすコツ。積極的にアタックするよりも気前よくボーナスをつぎこむのがよい。洗濯洗剤と同じだ。「アタック」より「ボーナス」の方がよく落ちる !?


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