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  ほぼ世捨て人/2003年1月

悪いのは大衆だ

  〜 アナタの大衆度をチェック 〜

ほぼ世捨て人もくじ


 本題に入る前に簡単なセルフチェックを試してみてほしい。以下の質問に自分が当てはまるかどうかYesかNoで答え、Yesの数を数える。全部で20問。できるだけ正直に答えてほしい。

(1) 二十歳のとき成人式に出席した(するつもりだ)
(2) 子供の将来を考えて塾通いさせている(させるつもりだ)
(3) 選挙はなるべく棄権せず投票している(するつもりだ)
(4) 今まで本気で転職を考えたことはない
(5) 七五三、桃の節句など、子供の行事はきちんとやりたい
(6) ギャンブルにはかなり散財している
(7) 血液型占いは結構当たると思う
(8) お世話になった人にはよくお歳暮を送る
(9) スポーツ紙をよく読む
(10) 日本人のアイデンティティをしっかり持っている
(11) うまいものを食べるために行列を作るのは苦にならない
(12) 縁起を担いだりジンクスを気にすることがある
(13) 宴席などではよくカラオケを歌う
(14) 全国高校野球の勝敗が気になる
(15) 友人、知人は多い方だ
(16) 橋田寿賀子ドラマ、または朝の連続ドラマをよく見る
(17) 酒は人間関係の潤滑油として大切だと思う
(18) 最近の若い連中はなってないと思うことがある
(19) 日本は平和を守るため、絶対に戦争に参加してはならないと思う
(20) ファッションには少々こだわりがある

 今回のテーマは大衆。思えばボクの人生、常識との決別、大衆との闘いだった。大衆批判は『世捨て人の庵』の中心思想をなす。というと大袈裟だが、このコラムは庵でもっとも重要なコラムといえる。とても1本ですべてを語り尽くすことはできない。ほんの要点だけを述べて終わることになる。

 ここでいう大衆とは何かを定義しておく。大衆という言葉はあまり適当ではないが、他にぴったりの言葉がない。似たような言葉として国民、市民、庶民、サラリーマンと言い換えてもいいだろう。

 最も平均的な9割の人のこと、と言ってもそれほど外れていない。優柔不断、付和雷同で、体制・趨勢に流され、一貫した主義主張がなく、マインドコントロールにかかりやすい人。規格化され、個性がなく、みんなが右を向けば右を向くような人。現状に不満のない人。自分は中流だと思っている人。批判力・独創性・主体性のない人。自分の意見を持たない人。本能、プログラムの通りに行動する人。それでも自分だけは大衆ではないと思っている人だ。

 庵ではしばしば大衆をバカ者呼ばわりするが、知能や知的レベルとはあまり関係がない。日本の一般大衆は比較的知能が高く、知性もある。ボクより遥かに頭のいい人たちが慣習に縛られ、血液型占いを信じ、たばこを吸って進んで病気になり、神や超能力や霊を信じ、会社の奴隷になり、それに気が付かない。これは一体どういうことか。

 そして大衆に迎合するマスコミの存在。新聞もテレビも国民、庶民、サラリーマンは常に善であるという前提のもとに報道し、社会が悪い、政治が悪いと説いて大衆のごきげんをとる。

 社会を批判するのは簡単なことだ。社会が悪いという言い方は誰も批判していないのと同じである。天下国家のせいにするのは責任の所在をごまかしているのである。  つづき

 一般大衆も社会が悪いのは政治家のせいだ、警察のせいだ、学校のせいだ、若者のせいだと責任転嫁する。

 その点、『世捨て人の庵』はまったくちがうスタンスをとっている。一般大衆が愚かなのに社会だけが勝手によくなるわけがない。悪いのは国民だ、大衆だ、庶民だ、お前だ、とはっきり非難する。政治が悪いのは政治家のせいではない、有権者がバカだからだと断言してはばからない。世間では善とされているサラリーマンを徹底批判する。さらに社会では弱者とされている女、老人、病人、身障者、キ○ガイも容赦しない。大衆に迎合しない個人サイト。これほど失礼なサイトはめったにないと自負している。

 さて、冒頭の20の設問は何のチェックか。もう言うまでもあるまい。読者の大衆度の診断である。 設問は判断力の甘さ、保守性、盲信性、規格化の度合い、マインドコントロールのかかり具合などを調べている。こういう設問は100個でも200個でも作れるが、字数の関係で20個にとどめた。

 余計なお世話だろうが、以下の基準でアナタの大衆度を自己診断してほしい。

■ Yesが0〜1個の人
 世捨て人、または変人。自分の信念一筋、社会との相性最悪、適応能力ゼロ。ボク自身はもちろんYes0だ(そのように作ったのだから当然だが)。
■ Yesが2〜4個の人
 ちょっとヘソ曲がりな、世をすねた大衆。
■ Yesが5〜12個の人
 紛れもない100%ピュアな一般大衆。
■ Yesが13〜18個の人
 重度の大衆。おめでとう、社会はアナタのためにある。
■ Yesが19〜20個の人
 大衆の枠を超えた超大衆。この世をわが世とぞ思う人。おそるべき順応力を持っているか何も考えていないかのどちらか、多分後者だろう。
■ こんなテストでわかるわけないと思う人
 一般大衆。

 Yesがゼロや1個程度の人は人生の裏街道を行くタイプ。この社会を生きるのはさぞ辛いだろう。一般にYesが多い人ほど社会とのあつれきが少なく、生きるのが容易になる。批判力が低くなる分、だまされやすいわけだが、だまされることも幸せに生きる条件になる。だまされない人、会社のマインドコントロールにかからないような人は不幸である。

 Yesが2個以下の人は『世捨て人の庵』をうなづきながら楽しく読み、わが意を得たりと爽快な気分になることだろう。Yesが3個以上の人(全体の95%以上の人)は世捨てコラムを読んでしばしば腹が立ち、不愉快になるはず。平常心で読み通すことはむずかしいだろう。庵はYes3個以上の人を徹底批判しているのだから当然である。大いに腹を立ててほしい。

 Yesが18個以上になると、自分のことを批判されているという自覚すらないはず。何を言われてもそういう意見もあるなと受け流し、全く意に介さない。最高のおめでた人間だ。

 この中でもっともよく生き残るのは社会に適応できたYes3個以上の人である。Yesゼロは一匹狼、はぐれザルだから配偶者が限られ、子孫を残せない可能性が高くなる。ボクの遺伝子は大衆に淘汰されるわけだ。悪貨は良貨を…か。 大衆社会では特殊なものは生き残れない。生き残るのは平均的で順応性の高い個体なのである。

 大衆の愚かさは『世捨て人の庵』の主要テーマである。とにかくボクは大衆が大キライだ。


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