一般に、男は美人や可愛い女に惹かれる。女は顔で格付けがほぼ決まってしまうところがある。なぜだろう。

　こういう話題のときは原則として一般論である。なぜそう断るかというと、男と女の話題を書くと必ず例外を挙げて異論が来るからだ。私の友人に当てはまらない女がいる、うちの職場には違うタイプが・・・と。そりゃいくらでもいるでしょう。１億４千万人すべてに当てはまる一般論はないのだから。

● 美人はこんなにトク

　男は美女とブスで扱いが違うことは認めざるをえない。美人の方が人生トクであろうことはボクにも容易に想像がつく。

　もちろん女性を顔だけで判断することはないが、顔抜きで判断することもないだろう。性格が同じで可愛い娘とブスがいたとして、どちらを選ぶかと言えば、ブスを選ぶには相当な理由が必要だろう。

　美人局と書いて「つつもたせ」。これはブスには勤まらない職業ということか。

　マラソンの高橋尚子はスポーツ選手としては珍しいアイドル顔。土○○子は高橋の記録を破ることはあっても、人気で越えるのは難しいだろう。

　「男と女の間に友情は成立するか」という命題がある。成立すると思う。相手の女性が性格がよくて、とてもブスの場合だ（？）。

　美人であるがゆえに命を救われることさえある。イラク戦争では美人兵士救出劇があった。大韓航空機爆破の金賢姫は抜群の美貌のおかげで恩赦で助かった。彼女がアジャ・コングのような顔だったら死刑はまぬかれなかったと思う。

　イケメン男性がもてはやされる昨今。女だって美男子にほれるのだという反論がありそうだ。が、甘い甘い。男の美女へのこだわりはそんな生易しいものではない。歴史が違うのだ。

● なぜ美女に惹かれる？

　一般に、美人と言われる顔がほぼ決まっている。個人の好み、時代、地域、流行などで多少の揺らぎはあるが、誰が見ても美人、誰が見てもブスという顔は厳然とある。なんとサルにもあるのだ。

　なぜ男は美女に惹かれるのか。これは大きな謎である。男のボクにもわからない。

　ボクの場合、女性の性格を重視するので顔にはこだわらない…と書こうと思ったが、ちょっと待った。なんでボクだけブスで我慢しなきゃいけないのか。ボクだって可愛い方がいいのである。わざわざハニワや能面のような女を選ぶほどマニアではない。でもナンデ？

　美人は健康に見えるからだとする説が有力だが、疑問もある。ブスの方が健康なことが多いからだ。美人薄命、美女の方が“か弱い”。それに「“健康なブス”より“不健康な美人”の方が好きだ」と言われれば極めてもっともで、返す言葉がない。　　

　男はなぜ外見を重視するのか、ボクの仮説。男にとって女は守ってあげる存在、つまりペットだから。ペットは可愛い方がいい。ぬいぐるみや人形だって可愛いものを選ぶ。だが、「可愛い」と「醜い」の区別はどこで判断するのかなど、未解決な部分が残る。この件に関しては目下、研究中だ（ウソつけ）。

● 女は愛嬌

　ブスとは何か。漢字では「醜女」と書くが、語源は知らない。ぶすっとしているからブスなのか。これは一理ある。ブスをよく観察すると無表情な女性が多いのは確かだ。仏頂ヅラである。表情が貼りついて感情が表に出ないので損をしている。これは表情筋が未発達なためだ。

　ヒトの表情は古今東西、万国どこでも通じる共通言語である。美人は表情が豊かで、微妙な感情が顔に出るもの。

　表情筋の発達は個人差が大きいようで、ボクなど一人になると表情筋が勝手に動いて困る。両眉毛を上下逆方向に動かすなど自由自在、無意識に顔の運動をしてしまう。感情がすぐ顔に出るのでポーカーフェイスが下手だ（日本の社会では男はポーカーフェイスを要求される）。

　顔は筋肉だ。表情筋を鍛えよ。これは最もお手軽なブス改造法としてお奨めできる。

● 男は顔じゃない？

　一般に、女は男を顔では選ばない。顔はいいに越したことはないが、ブ男でも構わないのだ。これは断言できる。美女と野獣のカップルもいる。ボク自身決してイケメンじゃないが、それがモテない原因だと感じたことは一度もない。

　「男ってトクよねー。」

　とんでもない。男は顔以外のさまざまなものを要求されるのである。身長、収入、体力、地位、知性、勇気・・・（最初の２つは特に重要）。こういった要件を満たすために一生努力し続ける男が跡を絶たない。

　それに対して、女に求められるものはたった一つ。顔だけ。

　身長も収入も体力も…何もいらない、お前は可愛ければそれでいいと言っているのである。なんという寛大な要求であろうか。

　女から見た男の役目は「種付け」、「金づる」、「用心棒」だということは以前コラムに書いた。女は男に現実的な利益を求める。これに対し、男は女に「美」という極めて抽象的なものを求めるのである。