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  ほぼ世捨て人/2004年7月

掲示板はゴミの山

  〜 掲示板の知的レベルは? 〜

ほぼ世捨て人もくじ


● 群れ作りのツール

 『世捨て人の庵』には掲示板を置いていない。今どき日本で掲示板のない個人サイトは貴重な存在だ? もうすぐ国宝サイトに指定されるんじゃないか。

 見かねたサイト運営者(読者)が「掲示板を置くともっとアクセスが増えるでしょう」などと親切に提案してくれることもある。

 ボクに言わせれば、あんな低俗なものを置くのはおよしなさいと逆アドバイスしたくなるのである。アナタのサイトの品位が下がりますよ、と。

 ボクは掲示板とはゴミの山であり、そこに群がる人間はだいたいクズであると思っている。

 こんなことを書くとびっくりしてイスから転げ落ちる人がいるかもしれないが、だれも賛同してくれないのは承知の上である。

 掲示板の書き込みの多くは、ご挨拶、雑談、思いつき、聞きかじりの知識、取りとめのない世間話、不毛な議論・・・といったもの。主婦の井戸端会議、便所の落書き程度のレベルであり、一般に公開するほどの内容ではない。当人にとってはこの上なく楽しい会話であっても、第三者から見れば情報価値はゼロに近い。その中から意味のある情報を得ようとするのはゴミの山から宝を探すがごとき所業である。

 「お前のサイトこそゴミだ」というご意見もあろうが、その判断は読者に任せる。

 あちこちの掲示板に犬の小便のようにたわ言を書き散らして歩くというのはあまり格好のいい趣味ではない。人さまの掲示板に言いたいことを書くのは、他人のフンドシで相撲を取るような趣がある。多少なりとも知性と主体性を持った人なら、言いたいことがあれば自分でサイトを立ち上げてそこに書くものじゃないか。今や小学生でもサイトが持てる時代なのだから。

 掲示板の氾濫、低俗化はサイト制作者の側にも原因がある。コンテンツの少なさを掲示板でカバーしようという安易な発想で掲示板を設置。実生活だけでは飽き足らずサイバースペースでも群れを作りたがる異常な触れ合い志向。人と触れ合うことがいいことだという考えは、現代日本人が持つ幻想の一つだ。

 掲示板で常連だけが盛り上がっているサイト。すっかり更新が止まったが掲示板だけ活発に動いているサイト。「みなさんの意見で作っていくサイトです」みたいなことをいう読者参加型サイト(掲示板以外に中身がないと公言しているようなもの)。日本人にインターネットをやらせるとなぜこうなってしまうのか。

 日本人の心を捉えたコミュニケーションツールが三つある。頭文字を取って「3け」と呼びたい。「掲示板」、「ケータイ電話」、そして「血液型占い」だ。  つづき

● ×ちゃんねるのレベル

 読者のお便りに「×ちゃんねるで知りました」と書いてあったことが過去に3回ほどあった。ボクは世間知らずなので(?)『×ちゃんねる』がどういうサイトか知らなかった。庵をどう紹介しているのか、一度だけのぞきに行ったことがあるが、サイトが複雑怪奇で、どこに書いてあるのかわからず仕舞だった。

 一つだけわかったことは『×ちゃんねる』とは掲示板の塊だということ。巨大なゴミの山である(こんなこと書くから取り上げられるのか?)。

 『×ちゃんねる』に載ったと思われる時期に限ってメールの質が低下、誹謗メールが一つ二つ舞い込むことがある。たとえばこんなのがあった。

■件名:(無し)
HPであなたのコラム読みました。あなたはすごくイタイ人ですね。かわいそうになってきました。

■件名:(無し)
文章面白いし巧いけど、はっきり言って読んでて、楽しくなったりするわけじゃないから、お金払ってまで読む人いないでしょ?

■件名:男女のサタも金次第
まったく経験が無いにもかかわらず…恋愛について語るのも…なんだかな・・・

 3通とも別人で、いずれも全文である。異様に短くてメールの体を成していない。この落書きみたいなメールは一体ナンダ?当初はわからなかったが、今なら掲示板中毒患者の典型的な文体であることが一目でわかる。掲示板に群がる連中の知性とモラルや推して知るべしである。

 こんなダイレクトメールが来たことがある。×ちゃんねるであなたのホームページがさらしものになっています、ついては削除のための手続きを格安で引き受けます、というもの。なるほど、そういう商売もあるのか。

 あいにくだが、削除してもらおうとは思わない。『×ちゃんねる』でけなされようがほめられようが(ほめられることはないか?)、それを読んだ人がどう考えようが、ボクにはまったく興味がない。クズはクズ同士、楽しくやればいいのではないか。ただし、上のようなゴミメールを放り込まれるのは困るが。

 『世捨て人の庵』は趣味で運営する限り、掲示板を置こうとは夢にも思わない。

 庵はみんなでワイワイ楽しむようなサイトではないと思う。世俗を離れて一人でこっそり読むサイト。烏合の衆のたまり場にはしたくないのである。


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