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  ほぼ世捨て人/2005年3月

サラリーマンは神様です

  〜 優遇されすぎたサラリーマン 〜

ほぼ世捨て人もくじ


 読者の大半がサラリーマンであることを承知で書くが、ボクはサラリーマンが嫌いだ。サラリーマンという職業も人種も生理的に合わないのだ。

 サラリーマンを批判するのはタブーである。政財界、産業界、マスコミ、インターネット界…、サラリーマン批判を聞いたことがない。

 今、サラリーマンをまっ向から批判する者は日本でこのボクただ一人である。

 政治家もマスコミもサラリーマンに迎合し、こびへつらい、うまく利用している。

 サラリーマンは自分たちが常に善であり、まじめに働いて損をする被害者であり、しいたげられた存在である、と洗脳されている。悪いのは政治であり、得をしているのは自営業者だと主張する。サラリーマンがいかに優遇され、保護されているかを知らないのである。

 たとえばサラリーマンの所得税の必要経費(にあたる部分)が収入の約3割も無条件に控除されていることを知らない。こんな不公平はやめてサラリーマンにも帳簿を義務づけましょう、と言う政治家はいない。言ったら選挙に通らないからだ。

 サラリーマンの妻(専業主婦)は1円も年金を払わずに老後に国民年金がもらえる。自営業夫婦がせっせと納める年金がリーマンのぐうたら主婦に垂れ流しなのである。こんなデタラメは改めるべきです、なんてマスコミは決して言わない。大衆のご機嫌をとるのがマスコミの仕事だからだ。

 不況でサラリーマンの家計は大変なのだという。そんなことはウソだ。この不況でも基本給が下がった人はほとんどいない。物価は大幅に下がっている。生活に困るはずがない。アナタもそうでしょ? 最も不況に強い職業だから当然である。  つづき

 自営業者は収入ダウン2割、3割は当たり前。自然淘汰の世界だから、食えなくなれば廃業するしかない。個人事業主が廃業してもほとんど報道されない。報道されるのはリストラされた中高年サラリーマンのお話ばかりである。

 サラリーマンの小遣いは月いくら、なんてデータがよく紹介される。この手の調査は最初からサラリーマンのご機嫌をとる意図で行うのである。

 調査によると、サラリーマンの昼食代は平均468円だった。そして必ずこんなふうに結ぶ。
「現代サラリーマンの苦しいフトコロ事情がうかがえますね。」

 アホかと思う。会社員は社員食堂で安いランチが食えるのだから、平均して低い額になるのは当たり前。それをいうならサラリーマンより低収入の個人事業主(大半がそうだ)が750円の定食を食わねばならぬことこそ可哀相というべきだ。

 サラリーマン家庭の負担が増えるような政策をとると一斉に反発する。「その上に年金や消費税まで上がったら私たち庶民は生きていかれません」などと言う。ウソつけと思う。おたくら中流じゃなかったのか?

 ボクが特にキライなものに「サラリーマン川柳」がある。

 小遣いが少ないだの、女房が強いだの、宮仕えの悲哀、新人類の部下…。作者の個人的な不遇をサラリーマン全体の運命とみなして共感を得ようという自虐的川柳だ。いい歳をしてみっともない。そんなものを読んでうなずいてるヤツも大勢いるんだろうな。

 そんなにサラリーマンがイヤなら辞めれば。ほんとは好きで好きでしょうがないくせに。

 いまやサラリーマンは多数派であり、特権階級であり、圧力団体である。サラリーマンは神聖にして冒すべからず。それが民主主義だからしょうがないが。いやな世の中だ。


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