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  ほぼ世捨て人/2005年10月

アルバイトの諸君へ

  〜 フリーターに捧ぐアドバイス 〜

ほぼ世捨て人もくじ


 長年のアルバイト人生だが、来週で一応ピリオドを打つことになった。

 学生時代も含めると、合計20年ほどアルバイトをやってきたことになる。卒業する(?)にあたり、アルバイト現役の人へ2、3のアドバイスを残しておこう。

 経験からいえるのは、できるだけ仕事や職場を選ぶべしということ。

 アルバイトのキツさや待遇はピンからキリまである。収入の面でいえば、時給の高い仕事を狙うべし。時給と仕事のキツさはまったく比例しない。それどころか反比例するといっていいくらいだ。時給の高いバイトほど仕事がラクで扱いもいい傾向がある。

 職場の待遇が気に入らなければどんどん転職しよう。人使いの荒い職場、給料に見合わぬキツイ仕事、どんなに急いでも間に合わない作業(ままある)、いやな上司がいる、イジメるやつがいる・・・。

 こういう場合、ほとんど唯一の解決策はやめることである。

 何をやっても怒鳴られるとか、不条理な扱いを受ける職場というのが厳然とある。

 長年やってきてボクほどまじめな労働者は少なかったが、それでもボクの評価は職場によって天地ほどの開きがあった。職場や上司との相性もあるのだ。

 アルバイトのメリットのひとつはいつでも職場を変えられること。逆に、転職しないのであればアルバイトをやるメリットは少ない。

 仕事である以上、給料、待遇、仕事内容、人間関係、どれも完璧ということはない、どこかで妥協するべきだ、という人がいる。しかし、アルバイトは給料の面ですでに大きく妥協しているのである。それ以外のことで安易に妥協するべきじゃない。  つづき

 ゴミのような扱いを受けたら無断でやめるべし。ゴミにはゴミのやめ方がある。アルバイトにプライドを持つのは勝手だが、会社にとってアルバイトなどゴミほどの価値しかないのだから。キミの代わりは電話一本でいくらでも来るのだ。

 ダメな職場は一日でやめよう。ボクは一日でやめたことはないが、無断でやめたことは一度ある。赴任したその日に19歳の若造社員に怒鳴られた。1ヶ月近く我慢し、さんざんな目に遭って無断退職。余計な苦労をしてしまった。1日でやめなかったことを激しく後悔したものだ。

 やめる決断が遅れると精神的にぼろぼろになることがある。ボクのように責任感の強いタイプはとことん我慢する傾向がある。これは一番よくない。トラウマが一生残る可能性がある。たかがアルバイトにそんな犠牲を払う価値はないのである。

 いま働いている職場にもときどき新人アルバイトが入ってくるが、1日でやめる人が結構いる。早い人は半日でやめる。いいことだと思う。決断は早いほうがいい。名前を覚えられぬうちにやめる。これが双方もっとも被害の少ないやめ方なのだ。

 転職はめんどくさくて精神的に落ち込むが、待遇のいい仕事にめぐり合うチャンスになる。

 いまの仕事は年間2,000時間働いて350万円ぐらいになった。アルバイトとしてはかなりの高待遇。この仕事に就けたのも、その前にやっていたバイトが異常に忙しい作業で3ヶ月でやめたから。あと1ヶ月我慢していたらいまの仕事に就けず、貯金は大幅に減って、人生設計が変わっていた可能性が高い。

 人間万事塞翁が馬。何が幸いするかわからない。

 アルバイト、パート、フリーター諸君。いつか社会の底辺から這い上がることを願う。

 ボク? 庵主はしばらく株で遊んでくるから。幸運を祈る。さらば。


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