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  ほぼ世捨て人/2002年12月

大阪人は漫才師か

  〜 大阪人の生態、第二弾 〜

ほぼ世捨て人もくじ


 以前、コラム『大阪人の生態』で大阪人を叩いたことがある。

 これを読んだ関西人は「偏見にもとづく一方的な批判だ」と怒るかもしれないが、だいたいその通りだから仕方がない。

 日本人と大阪人。善し悪しは別として両者は決定的に性格が異なる。これほど明白なことがどの本にもほとんど書いてないのが不思議だ。『大阪人の生態』はこの差異を真正面から取り上げた日本で初めての(ということは世界で初めての!)コラムとして、高く評価している。誰が? ボクが。

 あのコラム、当初考えたタイトルは『くたばれ!大阪人』だった。が、少々過激なので、世論に配慮して(?)『大阪人の生態』にしたのである。

 あそこまで書くと抗議の一つや二つは覚悟していた。が、現時点で反論メールはゼロ。「よく言ってくれた、その通り!」という絶賛メールが3通来た。3通というのはうちのコラムとしては極めて大きな反響と言ってよい。

 東京から兵庫に転勤したある若妻。無礼な大阪人にカッカする毎日。同じ思いをしている人がいないかとネットを検索したらボクのコラムを見つけた。「よく言ってくれました!!!!! あぁ 嬉しい。そうなんです、関西人ってそうなんです!!!(涙)」と感涙のメールをくれた。

 名古屋から大阪に一時赴任した人。コラムを読んで久しぶりに気分がすっきりしました。大阪は大バカばっかりで、割り込み、電車内で大声のケータイ、ぶつかっても謝らない…。一刻も早くこの腐った土地からおさらばしたい、と書いてくれた。

 実をいうとあのコラム、ちょっと言いすぎたかな、謝ろうかなと思っていた(ホントか?)。でもやめた。気が変わった。大阪人にひどい目に遭ったのはボクだけじゃない。被害は全国に広がっているのだ。

 全国からの絶大な支持を得て(といっても3通だが)、大阪人コラム第二弾を書いてやれ。大阪人は少しへこましておかないと他の日本人とバランスがとれないのである。

 東日本で大阪弁を聞く機会はほとんどテレビに限られる。テレビで大阪弁を話す人はほぼ2種類しかいない。一つは漫才師などのお笑い芸人。一つは悪質なヤミ金融の取りたて屋。「さっさと払わんかい、ワレッ」と電話でまくしたてるコワイお兄さんである(あれはナンデいつも関西人なのか)。

 幼児期の原体験から言って、大阪弁を話すのは漫才師が圧倒的に多い。そこでボクを含む東日本人の頭の中には「大阪弁を話す人=漫才師」という基本定理ができ上がる。すべての東日本人がそうだは言わないが、78%ぐらいはボクと同じ認識を持っていると思われる(この数字はでたらめ)。

 上の定理から「大阪弁は漫才師のコトバ」という公式が容易に導かれる。ビートたけしの著書で、父親・菊次郎が大阪弁を漫才師のコトバだとバカにしていたというくだりがある。これは東日本人の一般的な認識の一つである。

 これからさらに「大阪弁を話す=ふざけている」という公式が成り立つことは証明を要さないだろう。  つづき

 こういう認識は西日本の人には理解しがたいかもしれない。「東北訛りの人=田舎者」という固定観念と同じこと。偏見には違いないが、この観念を変えることはむずかしい。

 東京で関西弁を使う関西人がいる。本人は「どや、カッコええやろ」と思っているかは定かでないが、我々の印象は「漫才師のコトバを使ってる」というものだ。なにしろ大阪人といえば漫才師か取りたて屋しか知らないのだから。

 明石家さんま気取りの関西人。さんまは東京で成功した。自分もさんまのように大阪弁で一旗上げようというつもりか。柳の下にサンマはいない。

 お笑い芸人は人を押しのけてしゃべらなければ笑いは取れない。目立つためにはずうずうしさ、アクの強さが大切。まさに大阪人にうってつけの職業。いまや東京のお笑い界は大阪人に席巻された。石を投げれば大阪人に当たる。

 こういう状況では東国出身の芸人は不利だ。よほど心臓に毛が生えたようなずうずうしさがなければ生き残れない。つぶやきシローなんかいいセンスをしていたが、結局生き残れなかった。つぶやいていてはだめなのだ。

 とんねるずや志村けんは他の芸人と組まず、ピンで番組をやっている。関西芸人の被害を避けるには賢いやり方である。

 関西芸人、男はほとんどが大阪弁を武器にする。標準語なのは藤井隆ぐらいしか知らない。女の芸人はどうか。大阪弁丸出しでルックスと違和感がある鈴木紗理奈。日本語を基本にたまに大阪弁も交えるバイリンガルタイプが久本雅美、和田アキ子(芸人じゃない?)。ピンクの電話はお笑いでありながら関西弁を一切出さないのは立派。

 アイドル関係でも関西人は多い。中沢裕子、坂下千里子、吹石一恵、モー娘。の加護ちゃん。古くは堀ちえみ、柏原芳恵。それに立花理佐。濃い眉にエクボの組み合わせが結構好きだった。

 双子の姉妹、マナとカナ。大変よいと思うが、あの顔から大阪弁が出てくるのは興ざめである。本人の希望なのか事務所の方針なのか知らないが、コトバで損していると思う。

 大阪弁の国会議員、辻本清美が辞職した。ボクは最初からこのやかましいおねえちゃんがキ×イだった。それはともかく秘書給与流用なんて大した問題ではない。辻本清美の大罪は国会に大阪弁を持ち込んだことにある。しかも西川きよし議員のような謙虚さがなかった。

 「大阪弁を話す=ふざけている」という公式から明らかなように、これは国会の品位を汚す行為である(と62%ぐらいの東国人は考える)。国会は演芸場ではない。大阪弁は難波花月で使うべき言葉だ。辻本は国会侮辱罪で辞職すべきだ(?)。

 そもそも地元の言葉しか使えない人間が国政に口を出すのはまちがいなのだ。これはホント。

 将来、東京方面へ移住する予定のある大阪人のキミ。東京に出てからも大阪弁を使うつもりなら一言アドバイスしてあげよう。やめておけ。


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