ほぼ世捨て人/2005年5月 投資家への道 〜 引退のための資産運用 〜 |
50歳で引退する計画を以前のコラムに書いた。名づけて自由人計画。45歳のこと。 あれから2年半、引退計画もかなり様変わりしてきた。ここらで中間報告しようと思う。 まず資金を貯め、老後の生活のめどが立ったら仕事を辞める、という基本路線に変わりはない。ただ、老後の資金を引退後に食いつぶしていくという考え方に変更が生じた。 きっかけは、だいぶ小金がたまってきたので増やす方法を考え始めたこと。数ヶ月前から経済や金融のことを調べ出した。財テクや投資にウトいボクがお金の勉強を始めた。 ごく基本的な経済状況を書こう。むずかしいことは省いて中学生レベルとする。 超低金利の現在、預金の利息はタダ同然。銀行には何も期待できない時代である。 それでもお金をタンスに入れとくよりは安全だし、元金は保証されている。デフレだから物価も上がらない。 しかし、経済活動している限り、長い目で見れば物価は上がるもの。戦後どの10年をとっても物価は倍以上に上がっている。いずれ景気が回復すればインフレに転ずることはまちがいない。 インフレになれば金利も上がる。しかし、預金は年利8%でも10年で倍にしか増えない。金利は物価上昇に追いつかないのである。 つまり「お金は使わずに持ってるだけでも確実に減っていく」ことを意味する。 もう一つ、意図的にインフレが引き起こされる可能性があること。 現在、国の借金は700兆円。これが返済困難となれば、政府はお金をたくさん発行してインフレを起こす可能性がある。物価が倍になってから借金を返せば、負担は半分ですむからだ。お金を印刷する権限は政府にある。借金返済のためのインフレ。どこの政府でも考える奥の手だ。 |
政府がこの伝家の宝刀を抜いたらどうなる。苦労して老後の資金を1千万円貯めたとしても、物価が倍になれば500万円も目減りしてしまう。いくら温厚なボクでも見過ごすわけにはいかない。 お金をお金として銀行に預けておくだけではキケン。死ぬまでの40年間にボクの貯金は紙クズ同然になっていく。これは十分考えられることだ。「元本保証で安心」どころじゃないのである。 となれば、積極的に資産運用するしかない。お金にお金を稼いでもらうしかない。投資である。 老後に収入がない以上、ボクは好むと好まざるとにかかわらず投資家にならざるを得ないのである。遅ればせながらそれに気づいた(それにしても遅いね)。 投資でまず思い浮かぶのは不動産投資。でも今の時代、土地や家の値上がりはあまり期待できない。第一、不動産を買うほどのお金もないが。 今のボクにできる投資といえば、株しかない。乗ってるバイクもカブだし。 本命は右肩上がりで経済成長する中国やアジアの株だが、まずはトレーニングのつもりで国内の株を買ってみよう。 以上がこの数ヶ月で考えたこと。現在、株の勉強に精を出している。 10人に9人が損するという株式投資。石橋を叩いて壊すほど慎重なボクだから、常人と同じやり方をするつもりはない。どこに工夫の余地があるか、いま研究中である。1、2ヶ月先をめどに株デビューする予定である。 株によって引退のXデーが早まるのか、遅まるのか。人生、大事な局面にさしかかった気がする。 |